世界観


テトラテロメアマグニフィカト
トップにもどる

top


point あらすじ


某日本の北緯40度ぐらいのところにあるらしい雰囲気の 孤島 「肆戸島しのへじま」が舞台。


「あの島ってさあ」
いつものように高台から海を見下ろしていた那智華は、遠くに見える島を差した。
「人、住んでんの?」
「住んでる」
「え?何で知ってるの」
「じいちゃんから聞いた。昔は避暑地だったらしいんだけど、今は普通の町だってさ……っていうか、あの島出身のヤツ、同じクラスにいるよ」
「マジ?」
「でも、関わらない方がいいと思う」
「別に関わらないけどさ……そこまで興味ないし……でも、何で?」
「那智華さ……あの島のニュース聞いたことある?」
「ニュース?」
「ニュースに限らずだけど、噂とか、何ができたとかさ、普通聞くじゃん。どんな辺境でもさ、スタバ出来たら噂聞くでしょ?」
「あー、まあね」
「あとさあ、あの島の名前知ってる?」
「あー、そういや知らない。なんでだろ、興味無かったからかな?」
「地図に載ってないんだよ」
「……どういうこと?」
「関わんない方がいいよ、マジで。なんか、怖いから」
「ちょっとやめてよ、ほんとに怖くなってくる」
「おれもこわいよ。地図に載ってないって知ってから、さらに怖くなった。ストリートビューでも見られない場所のことなんか」



北海道に行く途中に立ち寄るフェリーの便がある。
一応観光地ではあるが、たのしげな観光スポットはひとつしかない。
一年に一度の祭りの時は、明らかにおかしい量の観光客が訪れるので、神社までの大通りには民宿がすごいたくさんある。


島の反対側の漁村部は全く寂れており、祭りの時にもあまり人は出てこない。



そして世界が滅びます



寂しい。けど、正しい。



滅びたあとの世界が生きやすいかどうかで、その人の抱えるものを推し量ることもできる。
滅ぶ前をネクローシス、滅ぶ前をアポトーシスとトップに書いていますが中の人はてきとうに書きました。


世界に蔓延しているのは毒ではなくて諦めだった。



単語集


以下には世界が滅んだ後の単語集を乗せておきます




 電車(切符)
消滅用の電車のこと、及びその切符のこと。
役所で切符を発行してもらい、指定席を買う(無償)。
綺麗な景色を見ながら、自分がいつ死んだのかを認識することなく自然と死ねる。
見ている側は、電車がホームを出た瞬間に砂になって消えるように見える。
終焉後の技術。楽園の技術者が残る人類へかけた哀れみ。安楽死の手段。

 偽名
書いて字の如く偽名。
そんなに親しくない相手に対して用いるもの。特に形式は定まっていない。
終焉後はその使用に対する抵抗が薄まっている。

 ラジオ
終焉後のメイン情報源。街中で流れている。

 電波系統
衛星通信は生きている。
しかし電波塔が壊れている範囲では当然ながら電波が立たない。

 携帯端末
電池が長持ちするから、丈夫だから、電波が強いから、との理由でガラケーを持ち始める人間が増える。

 アカシック指定区域(イフ指定区域)
損害の少ない地域を、もしかしたらあるかも知れない未来へ向けて保存すること。
肆戸では「偏執市場」が指定されている。
イフ指定区域の警邏は指定区域統括機関の人間が行う。

 楽園
イヴの時、奇跡的に何の損害も影響も受けなかった地のこと。
その存在と位置は秘匿されている。

 イヴ
終焉の歌声。

 指定区域統括機関
通称機関。
可能性を棄てられない大人が作った組織。
一般人からは不憫に思われている。

 異形化
終焉を境にして顕れた特殊な病状。たいていが夜行性。
体が変化したり、人間とは違う動きをしたりする。
一説に拠ると終焉後の世界も生き抜こうとする生物としての本能による変化らしいが、
その研究を進める人間も少ないので解明されることはないかもしれない。

 先天性異形
終焉以前から人間以外だったものを指す。
彼らは異形のことを後天と呼ぶが、普通の人間からしてみれば特に差違はない。どちらも人外なのだから。

 夜光蟲
異形をそう呼ぶ向きもある。

 海
透明度の高くなった海。
日が沈む頃には橙色に染まる。

 世界の色
終焉以前と同じ色を保っている動植物は居ない。
青池は橙色になった。
紫陽花はオレンジ。

 宇宙開発
終焉後の世界で唯一希望らしい希望を持たれている科学。
天才の集まり。楽園に棲む。

 探し屋
偏執市場案内業だがほぼ探偵。

 偏執市場
偏執狂が市場を形成している。
もはや法律など気にする者の居なくなった世界で、違法建築がオンパレード、巣窟、魔窟。
歩き慣れた者に取ってはいくつかの層に分かれている立体構造物だが、慣れない者にとってそこはひとつの混沌の塊だろう。
深いところには異形がちらほら見えるようになる。

 肆戸神社
世界が終わっても祭りは終わらせない。



point 関連



△top


© 2008- 和蔵蓮子